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最愛の人がそばにいない人生、
それでも季節はめぐる。

美しい北欧・ノルウェーの森で
暮らす家族の喪失と再生を追いかけた
真実の物語。

監督:シルエ・エヴェンスモ・ヤコブセン 
出演:ニック・ペイン、ロンニャ、フレイア、ファルク、ウルヴ、マリア・グロース・ヴァトネ

日本語字幕:クアーク亮子 字幕監修:青木順子 後援:ノルウェー大使館 配給:S・D・P 
宣伝:マジックアワー 英題:A NEW KIND OF WILDERNESS  原題:Ukjent landskap
2024年 / ノルウェー / ノルウェー語・英語 / 84分 / アメリカンビスタ / カラー / 5.1ch / ドキュメンタリー ©︎ A5 Film AS 2024 

4月 シネスイッチ銀座ほか
全国順次ロードショー

こども家庭庁こども家庭審議会推薦児童福祉文化財

文部科学省特別選定(青年/成人向き)、文部科学省選定(少年/家庭向き)令和7年3月4日

  • 北欧旅行フィンツアー
  • NORWEGIAN ICONS
  • metsa(メッツァ)

Trailer

Introduction

新しい才能が発掘されるサンダンス映画祭グランプリ受賞作!
母が遺した写真と言葉が、家族の今を紡いでいく—。
ノルウェー発、世界の映画ファンを虜にしたペイン家の物語。

お金では買えない豊かさと自由を求め、美しい北欧・ノルウェーの森で自給自足生活を送るペイン家。子どもたちは学校へ通うかわりに両親から学び、自然の恵みをいっぱいに浴びながら成長してきた。だがある時、家族の中心だった母の病死によって、すべてが一変してしまう。唯一父と血のつながりがない長女は家を去り、父は実子3人と今まで通りの暮らしをなんとか守ろうとするものの、家計や教育の問題など、さまざまな現実の壁に直面する。初めての学校。なじみのない土地での新生活。そして何より最愛の母の不在——。
深い悲しみと戸惑いの中で、遺された家族はそれぞれ何を思い、何を選ぶのか?
母マリアと親交があった監督が、彼女が遺した家族や自然への愛に満ちた詩的な文章と写真を全編に散りばめ、一家のささやかだが勇気ある3年間の歩みを記録した、驚きと感動のドキュメンタリー。

第40回サンダンス国際映画祭にて、ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門で審査員大賞(グランプリ)に輝き、NHK日本賞においても特別賞を受賞した本作。
最愛の人との別れと、その後も続く人生。冒頭こそ『はじまりへの旅』(16)などを彷彿とさせる型破りでワイルドなライフスタイルに目が奪われる本作だが、家族の心の痛みと癒しをスクリーンで追体験するうちに観客の胸に突き刺さるのは、『aftersun/アフターサン』(22)などと共通する、大切な人の愛情と思い出を抱えながら生きることのせつなさと尊さだ。喪失の先にあるものとは何か、今を生きるとはどういうことか、すべての人に問いかける傑作が誕生した。

マリア・グロース・ヴァトネ(1978-2019)

4人の子供の母親で、写真家、そして自然愛好家。
写真や物語を通して、この世界のすべてを理解しようと努力している。
誰にも支配されず、何ものにも捉われず自由と愛に満ちた人生を送りたい。
――――母マリアのブログ"wild+free"より

Story

ノルウェーの森にある小さな農場で、
自給自足に近い生活を送るペイン一家

母マリアと父ニックはかつて街で働いていたが、競争社会や物質主義からの自由を求めて農場に移り住み、長女ロンニャ、次女フレイヤ、長男ファルク、次男ウルヴの4人の子どもたちを豊かな自然の中で育ててきた。
だがある時、家族の中心的存在で、写真家として稼ぎ手でもあったマリアが闘病の末に亡くなり、一家の暮らしは一変してしまう。きょうだいの中で唯一マリアの連れ子だったロンニャは実の父と住むことを決め、家を出る。ニックは外で働き出し、それまで両親からホームスクーリングを受けていたフレイヤとファルクは学校に通い始める。またニック一人では農場を運営できないことから、子供たちと共に家を引っ越すことに。
新しい生活に馴染もうと努力する中で、家族は一人ひとりカメラに向かってマリアを恋しく思う気持ちや、人には言えない悩みを打ち明ける。やがて季節はめぐり、家族はそれぞれ新しい一歩を踏み出していく。

Staff

監督

Silje Evensmo Jacobsen

シルエ・エヴェンスモ・ヤコブセン

テレビ、映画業界で15年以上にわたって活躍するドキュメンタリー作家。主なテレビ作品に、トップを目指すストリートダンサーたちに密着した『KRAFT』(2022)などがある。ノルウェーの小さな村でギリシャ正教の教会建設をめぐって対立する人々を描いた『Faith Can Move Mountains』(2021)で長編映画デビュー。本作『ただ、愛を選ぶこと』は2作目の長編となる。プロデューサーのマリ・バッケ・リーセとオスロで制作会社A5 Filmを共同経営する。

プロデューサー

Mari Bakke Riise

マリ・バッケ・リーセ

過去17年間、数多くのドキュメンタリーやドキュメンタリー・シリーズに携わり、作品を通して社会変化のきっかけをもたらし続けている。監督としても活躍し、家族のために過酷な環境で働くガーナの少女を追った短編ドキュメンタリー『Kayayo - the living shopping baskets』(2016)は17 の国際的な賞を受賞し、第90 回アカデミー賞の最終候補となった。制作会社A5 Film共同経営者。

Message

監督:シルエ・エヴェンスモ・ヤコブセン

Silje Evensmo Jacobsen

監督:シルエ・エヴェンスモ・ヤコブセン

私は10年前にマリアのブログ「wild+free」を追い始め、彼女と彼女の家族のライフ・プロジェクトに魅了された。そこには、ノルウェー人とイギリス人の夫婦が、ノルウェーの森の中で 4 人のバイリンガルの子供たちを育てている様子や彼らがどのように夢を追い求めたかについて、マリアの魅力的な写真とストーリーによって綴られていた。(中略)
マリアは、私を彼らの生活に温かく迎え入れ、私はドキュメンタリー映画を通して彼らの物語を伝えることになった。それは決して簡単なことではなく、大変な努力と多くの戦いを伴うものだが、充実した人生でもあり、そこには自由があふれていた。
さまざまな理由で撮影は中断されてしまったが、ある日、彼女のブログの投稿が私を強く揺さぶった。彼女は、子宮頸がんが転移していると診断されたのだ。2019年に10年ぶりに家族と再会したとき、マリアはもういなかった。
マリアには数回しか会ったことがなかったけれど、彼女を失ったことは親しい友人を失ったような気分であり、私は彼女の世界を視覚的に残さなければという焦りを感じた。私にとっての最善の方法は、彼女の家族、子供たち、そして彼らの生き方を通して彼女の物語を見せることだった。しかしそれは、マリアの精神が彼女の写真や物語を通して生き続けていることを確認しながら、残された家族がこのような大きな喪失にどのように対処したかを、より深い次元で見せることでもあった。
マリアが亡くなった後、ニック、ロンニャ、フレイア、ファルク、ウルヴに彼らを撮影していいか尋ねたところ、彼らの答えは「イエス」だった。
ニックが、彼と彼の子供たちが危機的状況にありながら、私が密着して映画を撮ることに前向きだった理由のひとつは、彼らがすでに、映画監督として、母親として、そして友人としての私を知っていたからだと思う。『ただ、愛を選ぶこと』は、私が心から世界と共有したいと思う物語となった。私は彼らの親密で魅力的な世界に引き込まれ、世界中の家族が、一緒に観て、夢中になり、心の奥底にある何かを感じることができる映画だと信じている。

出演者:ニック・ペイン(ペイン家の父)

Nick Payne

出演者:ニック・ペイン(ペイン家の父)

映画の撮影について、子供たちのことは考えなければならなかったが、話し合いの結果、子供たちも賛同してくれたので、彼らがこのプロジェクトに参加することは素晴らしい経験になるし、完成したフィルムは彼らへの贈り物になるだろうと確信した。それに、人生やらなかったことより、やったことを後悔するほうがいい!撮影は僕たちにとってとてもチャレンジングなもので、承諾したことを後悔したことも何度もあった。僕はあまり目立つことをしない性格で、人生で最も辛く混沌とした時期に誰かがカメラを持って付きまとってくるというのは、控えめに言っても楽なことではなかった。子供たちは終始、勇敢で忍耐強く、快活で素晴らしい姿勢だった。(中略)
この映画からは、さまざまなことを感じ取れるだろう。マリアと僕は、僕たちと子供たちが成長するために、可能な限り最高の人生を創造する決断をしようとした。僕たちは、もしかしたらそれが、ほんの少しでも、より自由で、より公平で、より優しい世界を作る手助けになるかもしれないと願っていた。この映画が、人々が自分自身に問いかけ、会話を始めるきっかけになることを願っている。泣いたり笑ったりして、心の中にある喜びを再確認してほしい。そして何よりも、人々が"シンプルに愛を選びなさい"というマリアのメッセージを受け取ることができるように。もし僕たちが愛を心に抱いて世界と出会うなら、すべてがうまくいくと僕は信じている。そんな単純なことだと、僕は信じている。

Review & Comment(敬称略・順不同)

長島有里枝(写真家)

3年ものあいだ、大切な人の死に直面して崩れそうな家族をそばで眺め続けてきたカメラは、彼らの悲しみと混乱がゆっくりと希望や未来に、季節のように移り変わる様子をしっかりと捉えていた。不在の主人公とも言えるマリアが愛した自然というのはもしかすると、彼女がなにより大切にした家族が喪失感を乗り越え、彼女を思って涙を流す同じ日に心から笑うこともできる、そんな日常にたどり着く力のようなものだったのかもしれない。

浅田政志(写真家)

スクリーンに映る、母親が撮った我が子の写真に感動した。
なにげない生活の中で撮られた家族写真たち。
映画を観てるはずなのに、静止画の写真がとにかく心に残っている。

折坂悠太(シンガーソングライター)

その人は空気に溶けた。今も私の身体を抱く。
波のようのおしたりひいたりして、呼吸ができる。
手紙になんか収まらないが手紙を渡す。
より良い今へと、よるべない旅に出る。
その歩みを、見送る横顔を、愛と呼んでみたい。

伊藤さとり
(映画パーソナリティ・映画評論家)

競争社会から外れて大地を感じて生きていきたい。
確かに大木や動物を抱きしめる子供たちの姿は神々しい。
それなのに人間社会は声をかけてくるし、親が不安になれば共に不安になった。
そして人生に迷う娘たちに、過去の自分を投影して涙が溢れた。
「誰かを愛すること、育てることは、平和への願い」
だからこの映画は、私たちの話でもある。

奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)

自然と呼応しながら互いの結びつきを深めてきた家族が、大きな喪失を抱えて踏み出す新天地での一歩。いつのまにか一家のご近所さんになったような特別な気持ちで見守って、思いがけず持ち上がる問いは気づけば私の心の深いところまで届いていた。あなたは誰で、何を大切に生きているの?この先の人生にインスピレーションをくれた厳しくもあたたかい、ある家族のポートレート。

SYO(物書き)

子どもが生まれて、死ぬのが怖くなった。
遺された妻の負担が計り知れないからだ。
たった一人で、子どもたちを支える現実。
彼が喪失を乗り越え、再出発に至るまで
どれ程の孤独と痛みを耐えたことだろう。
この世界に応援したい存在がまた増えた。

信友直子(ドキュメンタリー映画監督)

身内でもない子どもたちの表情がここまで自然に撮れているとは!カメラのそばでいつも、亡き母の魂が見守っていたとしか思えない。子どもたちが気丈にふるまう笑顔の奥にある、父への気遣いや、未知の暮らしへの不安と好奇心。何より母への哀惜がひしひしと伝わり、溢れさせる瞬間には共に涙した。そして最後には「私も頑張って生きていこう」と背中を押してもらえる、爽やかで希望に満ちた作品だ。

小川紗良(文筆家・映像作家・俳優)

この映画そのものが、一家へのグリーフケアのようだった。誰かの喪失に対して他者ができるのは、ただそばにいること。それを体現するように、カメラがそっと寄り添っていた。姿は見えずとも、ノルウェーの森のなかに、愛する人の存在が感じられる。

森百合子 (北欧ジャーナリスト)

ノルウェーの森で紡がれる、「よりよい人生」を求める暮らし。
マリアとニックの選択は、遠い国の理想のようでいて、わたしたちの足もとにも確かにつながっている。
よりよい世界に必要なのは、強いリーダーではなくて、結局、一人ひとりの選択の積み重ねでしか、それを作ることはできない。そう思い知らされるいまこそマリアが選び、ニックが受け継いだ決断をぜひ観てほしい。

加藤美千代
(一般社団法人日本グリーフケアギフト協会・代表理事)

偉大なる母の死は、家族に多くの喪失をもたらす。
父は人生と生活の支えを失い、子どもたちは両親の笑顔と慣れ親しんだ世界を失う。
新しい世界に適応しようとする誰かの努力は、他の家族に新たな喪失をもたらす。
支えあい傷つけ合いながら、わたしたちは、あの人がいなくなってしまった世界で生きていく。
この映画は、家族が喪失に対処するときに起こる複合的な痛みを丹念に誠実に描く。
喪失への対処に、正しいものも、間違ったものもない。
ただ、自分にとって大切なものを選ぶだけだ。ペイン一家はそれを“愛”と呼ぶ。
喪失に対処しようともがく世界中の同志が、この映画のように、ささやかであたたかな支援に恵まれることを願う。

SCREEN DAYLY

亡き母親が愛した自然が自らを癒す方法を知っているように、このドキュメンタリーは、彼女が愛した人々の再生と成長の同じサイクルを記録している。

THE CURB

自然は永遠であると同時に予測不可能でもある。死は避けられず、変化は避けられない。成長とは、尊敬、配慮、栄養を与えることから生まれる。

SLUG MAG

素晴らしく、温かく可笑しく、そして熱く感動的だ。時に、宮﨑駿監督の『となりのトトロ』のように環境保護や家族の温かさを想起させ、時に故マイケル・アプテッド監督の数十年にわたる、同様のライフスタイルを意識した『UP』シリーズを彷彿とさせる。

Theater

※上映時間および詳細は、各劇場へお問い合わせください。 ※劇場情報は随時更新いたします。

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